●2枚にわたる手紙(作戦その1)

書類審査はコンポジ1枚でしたが、私はコンポジの他に2枚にわたる手紙を添えました。
「宅間さんがこの作品で、実際に知的障害のある人をキャスティングすることが、どれほど重要か」というようなことをその手紙に書きました。


●キャスティング会社からの電話

二次審査の前に、その手紙を読んだキャスティング会社から電話があり「詳しく話を聞かせてください」とのことで、私は電話口で語り、Moekaは二次審査に向かうことになりました。


●対面審査でMoekaに言わせた言葉(作戦その2)

電話があったところで、それが審査に直結しないことはもちろん知っています。
対面審査は本人以外の立ち会いは禁止。そこで、私はMoekaに次のことを言うように伝えました。

「 私は実際の知的障害者です」

これだけは、必ず言うように伝え、 Moekaはグループで5人同時に行う対面審査に臨みました。


●後日談ですが…

あれほど約束したのに、 Moekaはすっかりそのことが飛んでしまって、「はい、どうもありがとうございました!」と終わった後に、「あっ!!すいません!言い忘れてました! 私、本物の知的障害者です!」と言ったそうです。

そして、やはりそれが決め手となりました。


●翌日電話が

翌日、今度は制作会社から電話があり、「宅間さんがとても興味を持っている」「ヒロインではないが、施設の登場人物として出演可能か」とのこと。
Moekaの出演が決まった瞬間でした。
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